♪… ギザの三大ピラミッド …♪

　エジプトのピラミッド

　人類の建築物の中でももっとも古い部類に属し、これだけ有名でありながら、いまだその目的すらわかっていない、太古の神秘そのものと言えるのがエジプトのピラミッド群だ。

　世界遺産には「メンフィスとその墓地遺跡――ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」として登録されており、ギザの三大ピラミッドをはじめ、カイロ南部に展開する多くのピラミッドが世界遺産に登録されている。今回はこのピラミッド群を紹介しよう。

　世界でもっとも有名な遺跡、ギザの三大ピラミッド…♪

　紀元前２世紀、ビザンティウムの数学者フィロンが『世界の７つの景観』を記し、これが後に世界七不思議（The Seven Wonders）に定着したと言われている。７つの遺跡とは、バビロンの空中庭園、オリンピアのゼウス像、ロードス島の巨人像、ハリカルナッソスのマウソロス霊廟、エフェソスのアルテミス神殿、バビロンの城壁（後にアレクサンドリアの大灯台と交代）、そしてギザのピラミッドである。このうち現存するのはギザのピラミッドだけになってしまった。


　ピラミッドと言えば誰もが思い浮かべる３つのピラミッド、それがギザの三大ピラミッドだ。エジプト古王国時代、紀元前2500年頃に築かれており、建築した王の名をとってクフ王、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドと呼ばれている。


　もっとも大きいクフ王のピラミッドは高さ137m、底辺は一辺230mのほぼ正方形をなす。各面は正確に東西南北を指し、傾斜は51.5度にもなる。


　このクフ王のピラミッドは、1889年にエッフェル塔が完成するまで世界でもっとも高い建築物であったようだ。これは約4,400年もの間、世界最高に君臨していたことを意味する。…♪

　ピラミッドにまつわる数々のミステリー

　どうやって造られたのか？

　わかっていない。ヘロドトスは何らかの機械を用いたと書いているが、その証拠はいっさいない。現在では、ピラミッド周辺に土を盛って長いスロープを造って石を運んだというスロープ説が有力であるようだ。


　ピラミッドはなぜナイル川の西岸にしかないのか？

　発見されているピラミッドは、すべてナイル川より西側にある。王家の谷もナイル川西岸にあるが、これは西岸が日の沈む方向にあたるためネクロポリス（死者の街）とされていたことによる。ピラミッドも同じだと考えられている。他に、地形的に船から石を降ろしやすい西岸が選ばれたという説もある。

　ピラミッドには未知の空間があるのか？

　現在発見されている空間は、女王の間、大回廊、王の間、重量軽減の間、地下の間（いずれも名前に根拠はない）。実は未知の通路も発見されているが、ピラミッドの一部を破壊しなければ入れないため、いまのところ未踏の空間となっている。ピラミッドの10～20％が空洞だという説もあり、そうするとまだかなりの空間が残っていることになる。…♪




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♪… エンジェルフォール …♪

地球最後の秘境エンジェルフォールを見たか

世界中いたるところに秘境といわれる場所はありますが、ベネズエラ、ブラジル、ガイアナの3国にまたがるギアナ高地は、秘境中の秘境といっても過言ではありません。


一年の大半を霧や重い雲に覆われてそびえるアウヤンテプイ。滝の水量が多い夏場を狙っていきたい

テーブルマウンテンと呼ばれる巨大な山々は一年中深い霧に覆われ、人工衛星が発達する最近まで全容はまさに霧の中。そもそもこの場所が世界中に知られるようになったのが比較的新しい。

1912年に「シャーロック・ホームズ」シリーズで知られる、アーサー・コナン・ドイルのSF小説「ロスト・ワールド」の舞台となったのが最初です。…♪

　
秘境は個人旅行が断然お得！
　
湖の中から伸びる3本のヤシは、カナイマ湖のシンボル
　
ギアナ高地を一躍有名にしたのは、世界最大の落差を誇る滝エンジェルフォール。日本からもエンジェルフォール観光のツアーがいくつも出ています。

　
しかしこのような秘境こそ、個人旅行の旨味が存分に発揮されます。なぜなら需要の少ないこのようなエリアはツアーの場合、ある程度の金額をのせないとビジネスとして成立しないからです。もちろんツアーならば詳しい説明をしてくれる添乗員が付きますから、知識面や安全面でメリットはあるのですが、それさえ抜きにすれば秘境は個人旅行で行くほうがずっとお得なのです。…♪

　危険なカラカスは避けるのが定石

エンジェルフォールがあるのは、ギアナ高地の中心部にあたるカナイマ国立公園。1994年に世界遺産に登録された公園はベネズエラ領にあたり、世界各国から訪れる多くの観光客で賑わっています。日本からはアメリカの都市を経由して、まず首都のカラカスを目指すのが一般的です。


　ただしこのカラカスという都市は、世界有数の治安の悪い都市として有名。そこでカラカスに到着したら、そのまま国内線でプエルトオルダスという都市に移動してしまいましょう。


　エンジェルフォールへ行くには、カラカスやプエルトオルダス、シウダーボリーバルにある旅行会社のツアーに参加すると楽でしょう。個人旅行の場合は、プエルトオルダスかシウダーボリーバルでツアーの申し込みをするのが一般的なのですが、おすすめはシウダーボリーバル。


　理由としては、空港に旅行会社がいくつも入っているので分かりやすいということ。そして空港のすぐ近くにホテルがあることが挙げられます。


　プエルトオルダスの空港に到着したら、少し離れたバス停までタクシーで移動してください。プエルトオルダスからシウダーボリーバルまでは1日に何本もバスが出ていて、所要時間は約30分。シウダーボリーバルのバス停に着いたら、そこからタクシーで空港へ。そこでツアーの申し込みをすればいいのです。…♪

　
　ベネズエラという国は、首都カラカス以外の都市における、クレジットカード通用率が異常に低いです。ツアー料金も一部の会社をのぞいて、ドルかユーロ、ボリーバル、もしくはトラベラーズチェック払いになります

　
。2泊3日で90万ボリーバルが相場ですが、ドルやユーロへの換金レートは会社によります。公定レートよりは確実によくなりますので交渉してみましょう。

　
　2泊3日の内訳は、カナイマのロッジで1泊、エンジェルフォールを見上げるラトン島のハンモックで1泊というのが一般的。ただしツアーによっては2泊ともロッジや高級ホテル、もしくはすべてハンモックというものもあります。料金もそれによって変わってきますので、必ず確認しておきたいところです。　
　
　シウダーボリーバルからカナイマ国立公園へは、小形飛行機で約1時間。窓からはテーブル状の山が連なる、ギアナ高地独特の景観を眺められます。追加料金を払えば到着後に遊覧飛行も楽しめるので、上空からテーブルマウンテンを眺めたいならぜひ…♪

　
個人旅行で行くエンジェルフォールの内訳／18万1800円
　
成田～ベネズエラ往復航空券／12万8000円（ヒューストン経由）
　
カラカス～プエルト・オルダス往復航空券／7000円
　
プエルトオルダスの空港～バス停往復タクシー／1000円
　
プエルトオルダス～シウダーボリーバル往復バス／200円
　
シウダーボリーバルのバス停～空港往復タクシー／1000円
　
シウダーボリーバル1泊／1500円
　
シウダーボリーバル発カナイマツアー／2万7000円（2泊5食付き、遊覧飛行含む）
　
空港～カラカス往復タクシー／5000円
　
カラカス1泊／3100円
　
ヒューストン1泊／8000円
　
※空港税や入園税、食費は入っていません。…♪



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♪… 美しい彩池 黄龍 …♪

　　皇帝の神龍が守るあまりに美しい彩池 黄龍、世界遺産中国 　

　川々のあちらこちらに見られる美しい黄金の石灰棚は龍の鱗（うろこ）。大地を穿つ滝の落下音は龍の咆哮。龍が眠りより覚め、天に昇るその身体を流れるように、川が鱗を滑り、水しぶきを上げて森を震わせる。


　そのあまりに美しく不可思議な景色にチベットの人々が神を見た岷山（みんざん）山脈の秘境、黄龍（ファンロン：こうりゅう）。今回は中国の世界遺産「黄龍の景観と歴史地域」を紹介する。…♪ 　

　　4,000年の歴史を誇る黄龍の伝説 　

　前・中・後の３寺からなる黄龍寺の後寺。 陰陽五行で東西南北に当てられている色は、東＝青、西＝白、南＝赤、北＝黒。そして中央より黄が出でて東西南北を統べるという。それゆえ黄色はその昔、中国では平民に使用を禁じた禁色（きんじき）となった。


　そして天の東西南北には４龍がおり、中央を守っているのが黄龍だと伝わっている。標高5,588mを誇る岷山山脈の雪宝山の渓谷では、黄金で全身をまとった黄龍が天に昇るという。


　まだ歴史がはじまる前、紀元前2,000年前後に栄えたという伝説の王朝、夏（か）。始祖である禹（う）は黄河の治水を成功させて世に認められた。


　もともと黄龍の化身、あるいは黄河の化身であるとも言われる伝説の皇帝、禹。ついに夏王朝を立てた禹は、雪宝山の渓谷・黄龍を訪れて神を祀る霊廟を建てたという。その寺は時代時代に建て替えられたが現在も明の時代の黄龍寺が残っている…♪ 　

　　世界遺産 黄龍風景区の全体像 　

　黄龍は雪宝山の深い渓谷に広がっており、標高3,000mを超えるこの地を美しい川がおよそ10の連続する湖を貫いて流れている。


　この川が、およそ3,400もあると言われる彩池と呼ばれる、万華鏡のように色彩を変える湖沼群や、パンダなど多数の野生動物が暮らす深い森を育んでいる。


　ハイライトはなんといっても黄金色の石灰棚だろう。プールのような石灰棚が傾斜に沿って無数に広がる様はあまりに不自然。太古の人々はここに神を見たが、たまたま側にいた日本人は「中国人ってこんなものまで造っちゃうんだ」と、自然の手によるものだとは到底信じられない様子だった。



　川と10の湖を中心に展開するこの風景区には、上りと下り、２本の遊歩道が通っており、観光客はこの道を歩いて眺めることになる。道の外に出るのはもちろん禁止。


　スタート地点は標高3,100mで、最高点の展望台が3,650mで。上りが約２～2.5時間、下りは1.5時間ほどの旅となる。つねに雪をまとって輝く標高6,000m近い岷山山脈を眺め、大地と森たちに濾過された美しい水と空気に癒されながら、山道を歩く。…♪ 　






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